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現在インプラントは普及してきましたが、インプラントの歴史の項でも説明したように、日本での黎明期には知識のない歯科医がインプラントには適さない場所に無理に埋入したり、技術的に未熟で炎症を起こしたりというトラブルがあったことは事実です。また、オッセオインテグレーションで骨と結合するタイプでないインプラントが販売されていた時期もあり、そのシステムでは骨と結合しないのですから当然安定性に欠け、長期間の使用には耐えられなくなります。いずれにしろ、オッセオインテグレーションの理解を正しく理解し、臨床データの豊富なインプラントシステムを選び、十分な研修を積んでしっかりした技術をもっている歯科医が治療すれば、トラブルは起きないはずです。マスコミで取り上げられるようなトラブルがなぜ起きるのか、ハードとソフトの両面から考えてみました。

ハード面とはインプラントのシステムそのものの優秀性です。世界中では数百種類もあり、日本で認可されているものだけでも30種類程あります。システムの導入の項で説明しましたが、私はシステムの優秀性、世界での普及度などを考慮してアンキロスを選択しました。しかし、中には「値段が安い」「施術が簡単」という理由でどのインプラントシステムを選ぶのか決めている歯科医もいると聞きます。臨床データの少ない、安全性が確認されていないシステムを選べば、トラブルが起きる可能性は高くなります。

ソフト面は歯科医の知識、技術、取り組む姿勢などです。インプラントに関する充分な知識がなく、技術的に問題のある歯科医がなぜ存在するのでしょうか。原因の一つは、歯科大学にインプラント科ができたのは最近のことで、それまでは大学にインプラントの専門家がほとんどいなかったことです。臨床家が海外で技術を取得して、帰国して実践してきたというのが実状です。中には失敗してグラグラする例もあり、大学の口腔外科に「何とかしてくれ」と駆け込むようなこともあったのでしょう。すると、大学ではインプラントを行っていませんでしたから、骨まで取ってしまい、もっとひどくなるという、患者様には気の毒な状況もあったようです。

現在ではインプラントへの理解も深まってきましたので、それほど極端なことはありませんが、技術的な面ではメーカーが主催する数日〜1週間ほどの短期の講習会を受けただけの歯科医も少なくありません。やはり、臨床経験の多さが技術を高めるのは事実でしょう。

つまり、患者様にとってインプラント治療で失敗しないためには、
歯科医師の選択が重要になってくるのです。


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